背中から脊椎に麻酔薬を注射して、下半身だけに麻酔をかける方法のことです。
脊髄に走る神経を麻痺させることで、みぞおちあたりから下をしびれさせます。上半身の感覚はしっかりしているため、意識もあります。
虫垂炎などでよく用いられる麻酔の方法で、下腹部から足の手術に用いられます。

背中の腰椎麻酔の跡脅かすわけではありませんが、腰椎麻酔の注射は痛いことでも知られています。
背骨と背骨の間に太い針を刺すわけですから、考えただけでもその痛みは想像できるでしょう。

横向きに寝て、腰を丸めて膝を抱えるような体勢をとります。体育座りのような格好です。背骨のすき間に針を刺すため、背中を丸めてすき間を広げるイメージです。
注射を打つ場所に、先に針の細い注射で麻酔をかけてから本番となりますが、それでもすごく痛いです。と言っても、数秒のことなので、痛みの続く盲腸にくらべたらどうってことありません。
痛いイメージが強すぎるのか、思ったよりも平気だったという感想が多いです。

手術前に、前投薬といって、手術中の有害な反射を押さえるために筋肉注射が肩に打たれることがあります。鎮痛薬や、抗コリン薬ですが、注射をしない場合もあります。(私が虫垂炎の手術を受けたときは、筋肉注射はしませんでした。)

手術中は、意識もあり会話も可能です。下半身の痛みはありませんが、切開しているところの感覚はわかります。足がすごくしびれている状態をイメージするとわかりやすいです。
わたしの場合、直接的な痛みは無かったものの、辛い感覚はありました。早く終わってくれと、耐えるばかりで手術を楽しむ余裕はありませんでした。

術後の合併症としては、髄液の漏出による頭痛(低髄圧症候群)に悩まされるひとが多いです。針を刺した場所から髄液が漏れると、その部分の髄液の圧力が下がります。圧力の低い部分に、脳や脊髄が引っ張られ、頭痛が発生します。細い針を使うことで髄液が漏れる量を少なくします。
頭痛が出ても、一般的に2、3日から一週間もすれば自然と消えますが、ひどい人になると一ヶ月以上も頭痛が続く人もいます。

あまりひどい場合、ブラッドパッチ(自家血硬膜外注入)という治療法があります。
これは自分の血液を注入することで、髄液の漏れる部分を塞ぐという仕組みです。

ちなみに、私が虫垂炎の手術で麻酔を受けたときには、頭痛はまったく出ませんでした。その代わりなのか分かりませんが、鎖骨や右肩に痛みがでました。
個人差が大きいので、気にしすぎる必要はないでしょう。

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