(最終更新日:2014/09/04)
一般的に盲腸と呼ばれ、手術で切除される部位は、正式には虫垂のことです。盲腸という部位もあり、そこに虫垂が付いています。
炎症を起こしていなくても切除されることもありました。要らないと思われていた虫垂に、果たして役割はあるのでしょうか?

これまで男性の乳首や尾てい骨と同じく、退化して必要のなくなった、痕跡器官と言われていました。

昔は予防のために、炎症を起こす前に手術で取ってしまうこともありました。
何の生理機能も無いので、不要だと考えられていたからです。帝王切開のついでに切除されることも。
宇宙飛行士は宇宙にいく前に切除するという噂もありました。実際、南極観測隊員などは予防のために切除するケースもあります。
虫垂炎は、放置しておくと腹膜炎を起こし、命の危険もあります。南極などの医師の治療を受けられない場所へ長期的に滞在する場合には、まさに命取りとなるからです。

ついにハッキリした重要な役割

胃腸の免疫機能に大きな関わりを持っているのではないかという見方があり、研究が進められてきました。
そして、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの竹田潔教授らのグループの研究で、虫垂のリンパ組織がIgA(免疫グロブリンA)の生産に重要な場であることが分かりました。
虫垂を切除したマウスは、虫垂のあるマウスに比べ、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが崩れてしまいます。
虫垂で作られたIgAは、小腸、大腸へと移動します。人間でも虫垂を切除すると、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)になりやすくなるとも。

腸内細菌は、人の免疫力の要。つまりは、虫垂が人の免疫力にとって大切な役割を果たしていたということです。

草食動物にとっての虫垂

人間ではなく、草食動物にとっては虫垂は大事な役目があります。セルロースという、草の繊維を消化するために不可欠だからです。
コアラやウサギは、長い盲腸にセルロースを分解させるための細菌を共生させています。
人間でも、消化を助ける、いわゆる善玉菌の貯蔵庫的な役目もありますが、現在では善玉菌は食事で摂取することが容易になっています。

再生医療において

また虫垂は、再生医療に用いられることもあります。代用膀胱、代用尿管などです。当たり前ですが自分の細胞なので、他人の組織を移植するときと違い、拒絶反応の危険がないというメリットがあります。


竹田潔教授の発見により、保存的治療を選ぶ人が増えるかも知れませんね。
ただ、実際に切除手術を受けている人は大勢います。取ってしまうと必ず病気になるというわけでもありませんし、再発を繰り返しているなら大人しく手術を受けた方がいいでしょう。

私は虫垂を手術でとりましたが、あの痛みが消えて良かったです。
また、とくに風邪を引きやすくなったなどの変化は感じていません。手術が必要な方は、必要以上に不安に感じなくていいと思います。

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